RX-7 FD3S純正ターボのオーバーホールです。エンジンは13B-REWで当時流行のシーケンシャルツインターボを搭載。シーケンシャルツインターボは、2個のターボチャージャー(プライマリー、セカンダリー)を組み合わせて過給を行います。具体的には、低回転/低負荷域ではプライマリー側のみ、高回転/高負荷域ではプライマリー+セカンダリーで過給を行います。プライマリーにセカンダリーが加わる瞬間の過給庄の落ち込み対策として、あらかじめセカンダリー側を予回転させておき低回転から高回転までターボラグのない過給を目指しました。ターボは日立製作所で生産されたが現在は生産中止で部品としての供給も中止でオーバーホール作業も消耗品のベアリング類だけが新品で入手できるだけで他のホイールやハウジングは程度の良い中古部品に頼っている状況です。特にプライマリータービンハウジングは劣化が激しくほとんどの場合クラックが発生しており交換や修正が必要です。タービンホイールも純正サイズが無いので破損している場合には中古良品に交換して入念なバランス取りが必要です。この辺の入手困難部品は今後開発していきたいと思っています。
Before
ターボの各所がかなりやられてますね。特にプライマリーターボはハウジングの亀裂も深く、溶接での修正も難しいので程度の良い中古品に交換します。タービンホイールのブレード先端がこの写真ようにギザギザになるのはアペックスシールの破片が当たった傷で、ロータリーがエンジンブローした場合の特徴でもある。こうなるとバランスが崩れてコンプレッサーホイールもハウジングと干渉することになりますね。
After
綺麗にオーバーホールさせて頂きました。純正ターボが入手できないことで、社外のシングルターボキットに交換されるユーザーも少なくないと思います。もちろんシングルターボ化でメンテナンス性は向上し、更にチューニングターボの醍醐味も味わえますので賢い選択肢だと思いますが、純正ターボのまま乗り続けたいと言う希望もよーく分かります。オーバーホールすることで安心して13B-REWを楽しんで頂けることを願っております。ただし程度の良い中古ターボは減り続けておりますのでその点はご留意願います。
コメントをお書きください